動き続ける長針と短針

思い立ったときにつらつらと

「エヴェレスト 神々の山嶺」鑑賞後感想(ネタバレ注意)

3月12日から公開となった「エヴェレスト 神々の山嶺

16日に見てきました。

(本当は初日舞台挨拶に行きたかったけどことごとく落選だったので...。)

 

 

映画全体の感想としては、

 

とにかくスケールがでかい。

 

ここまでやりますか。って感じです。

演者の方々の気合いのすごさも大画面から伝わってきます。

 

テレビで散々予告やら告知番組を見てから行ったので、相当すごいんだろうなあと思ってはいたけども、それをさらに上回る感動がありました。

 

息づかい、目力、動き...演者の1つ1つの動作から過酷さも伝わってきました。

 

20年経ってやっと実写化されたこの作品。

何度か映画化の話もあったのになかなか実写化できなかったこの作品。

20年分の期待も今回のキャスト、スタッフの方々は背負ってこの作品に挑んだんだろうなあと思いながら見ると、さらに感動が増す感じでした。

 

私は原作を読んでから見に行ったのですが、それぞれのキャストがそれぞれに良い味を出してるなあと。

長谷役の佐々木さん、岸役のかざぽん、、、出演時間は長くなくても短い中でメッセージ性の強い演技をされているように見えました。

キャストの人選が素晴らしかった上に、撮影スタッフの腕も良かったことがこの超大作の完成に至ったのかなあと思いました。

 

ただ、原作を読んでから行った私からすると、ちょっと物足りないなあとも感じました。

そもそも、原作自体が1000ページを越える長いお話なので、それを2時間に収めるのは少し難しかったのかなあと。

原作だと、羽生と深町が再会するまでには、岸涼子が誘拐されたり、深町は現地の人にだまされたり...本当にいろんなことが起きていたのにその描写があまりなく、すぐに2人が再会できてしまって「え!もう出会えちゃうの!」と、ちょっと物足りなさがあったのが少し気になったなあと。

その描写がなかったことで、深町と岸涼子の関係性が見えづらくなっていたようにも思えました。2人の結びつきが映画だとそこまで強いように見受けられなかったので(原作だと付き合っているも同然の状態)、関係性が希薄とまでは言わなくても、強く無いように見えた状態で岸涼子が深町の単独登頂エヴェレストに「ついて行きます」と言っていた点に少し違和感がありました。

 

でも、この映画のメインとなってくるのはやっぱり羽生が冬季南西壁無酸素単独登頂を目指すのと、深町がその後単独で登頂を目指すところだと思うので、前置き部分が長くなり過ぎちゃうと映画としてはどうなのかとも思うし...2部作にしてしまうよりは一連の流れで見た方がよりスケールの大きさを感じられるだろうし...これがもしかしたら映画化にあたっては正解の形だったのかなあとも。。。

(「何言ってんだお前」と感じた方は小娘の生意気発言だと思って聞き流してください(笑))

 

全体の世界観は原作の世界観がそのままな感じがしたし、終わりの部分も原作を変えることなく、新たに話を続ける事もなく終わっていたので、原作を壊していない作品だなあって感じです。

 

原作を読まずに見に行った人の感想を個人的に聞いてみたいなあ...。

 

 

さて、ここからは深町をメインに語ります。(笑)

岡田担目線でつらつら書きます。

 

ストーリーの始めの段階では「カメラマン深町」だったのに、終盤では完全に「山屋深町」になっていた深町。

最初は有名になるために良いネタを見つけたからこれは撮るしかない!っていう心意気だったのに、気づけば写真を撮ることよりも「羽生」という人間に魅力を感じていて。

カメラを通して仕事としてではなくて、1人の人間として羽生と関わっていくと、仕事はもうそっちのけで。羽生と接することでどんどん山屋の血が騒ぎ出して...

目力も顔の表情もどんどん変わっていく。

カメラマンから山屋に変化していく演技の流れが見事でした。

 

 

...あれ。この映画には岡田准一がいない。

 

 

映画を見ているときにふと思いました。

特に山を登っている深町を演じている准くんはもう准くんではなくて完全に深町。

准くんがいない(笑)

 

Growing Readだったり、雑誌とかでも「深町を演じる上で『岡田准一』をどう消していくかが課題」って言ってたけど、見事に岡田准一が消えてました...

 

羽生を撮るためにエヴェレストに登って、その後帰国して公園で岸涼子とベンチで話をするシーンを見たときには思わず笑いそうになってしまいました。

 

黒すぎる。

 

雪焼けって馬鹿にならないから黒くなるのはわかるけど、これどこまでが本当の肌の色でどこからが特殊メイクですかと聞きたい。

色を例えるならば...

おでんくんのガングロたまごちゃん。

(おでんくんってどの世代まで知られてるのかしら)

 

アイドルが完全に山屋になってるこの映画、すごいです。

 

 

最後に...

今ふと思い出したんですけども。

深町が単独登頂目指していく途中で力尽きた羽生に出会うじゃないですか。

亡くなってしまった状態の羽生を見てHUDのホームレス役の准くんを思い出したのは私だけですかね(笑)

 

 

木曜日の舞台挨拶に万が一当たったらもう一度見に行く予定です。

当たってくれ~~~~~~

 

 

拙い感想をどうも失礼しました。